政治学者・御厨貴の現在とは?歴代政権を斬る眼力と有識者会議の足跡
激動の局面を迎えている日本の政治情勢。政権の枠組みや選挙制度、リーダーの資質が厳しく問われるなか、数々のメディアや論壇でひときわ重みを持つ言葉を放ち続けているのが、政治学者の御厨貴氏です。
近代日本政治史の泰斗であり、東京大学名誉教授の肩書を持つ同氏は、かつてTBS系『時事放談』の司会を務めるなど、お茶の間でも広く親しまれてきました。歴代首相をはじめとする政治中枢への徹底した聞き書き(オーラルヒストリー)や、国家の根幹を担う有識者会議での主導的役割など、その足跡は他に類を見ません。2026年を迎えた現在、御厨氏はどのような活動を展開し、現代政治をどう見つめているのか。これまでの華々しい歩みとともに、その核心を掘り下げます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:東京大学名誉教授・政治学者の御厨貴氏は、2026年現在も論壇やメディアで鋭利な政治評論を発信し続けている。
- 要点2:オーラルヒストリーの第一人者として政界重鎮の肉声を記録し、天皇退位や震災復興など国家重要課題の有識者会議でも中核を担った。
- 要点3:政権に忖度しない歯に衣着せぬ発言と深い歴史的洞察が、世代を超えて高い評判と注目を集める最大の理由である。
【プロフィールと経歴】東京大学名誉教授・御厨貴の歩みと学問的ルーツ

御厨貴(みくりや たかし)氏は1951年4月27日生まれ、東京都出身。2026年に75歳を迎えた現在も、日本を代表する政治学者として旺盛な言論活動を続けています。
東京大学法学部を卒業後、同大学助手、東京都立大学法学部教授、東京大学先端科学技術研究センター教授、同大学院情報学環教授などを歴任しました。近代日本の政治・外交史を軸に、都市計画や建築史にも通じる「空間と政治」のダイナミズムを解き明かした研究業績は学界で高く評価されています。東京大学名誉教授の称号を授与された後も、青山学院大学特別招聘教授などを務め、次代を担う研究者の育成に尽力してきました。
御厨氏のキャリアにおける最大の転換点は、文書資料だけに頼る従来の歴史学にとどまらず、政策決定の当事者たちが持つ「生きた記憶」の発掘へ舵を切ったことにあります。
【オーラルヒストリーの開拓者】肉声から紐解く現代政治と代表的な著書

御厨氏の代名詞とも呼べる学問的手法が、オーラルヒストリー(口述記録)の体系化です。公文書や公式発表だけでは見えてこない「密室での決断理由」「政治家同士の生々しい人間関係」を、徹底したインタビューと綿密な歴史考証によって浮かび上がらせました。
中曽根康弘元首相、宮澤喜一元首相、後藤田正晴元官房長官、河野洋平元衆議院議長といった戦後政治の要人たちから引き出された貴重な証言は、単なる回顧録の枠を超え、後世に残すべき第一級の歴史遺産となっています。
これら膨大な記録をもとに世に送り出された御厨貴氏の著書は、『オーラル・ヒストリー――現代史のための口述記録』(中公新書)、『政策の総合と連携』(東京大学出版会)、『知と問答 権力と構想』(岩波書店)など多数にのぼります。さらに、近現代のリーダーシップを鋭利に解剖した『明治国家をつくった人びと』や『政治の眼力』などは、学問の世界のみならず現役のビジネスパーソンや政治関係者の必読書として読み継がれています。
【時事放談から現代へ】テレビとメディアで発揮された独自の政治評論スタイル

学術界の重鎮でありながら、お茶の間の視聴者にとっても御厨氏の存在はおなじみのものです。その知名度を全国的なものにしたのが、TBS系列で日曜朝に放送されていた伝説的な政治討論番組『時事放談』でした。
2004年から2018年秋の番組終了まで、御厨氏は司会者として長年メインを務めました。与野党の大物政治家をゲストに迎えながら、決して相手のペースに巻き込まれることなく、歴史的背景を踏まえた絶妙な問いかけで本音を引き出す司会進行は高い評価を受けました。
専門用語を並べ立てるのではなく、政治力学を身近な人間ドラマや歴史の相似形として解説する独自の政治評論は、活字メディアでも遺憾なく発揮されています。朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、文藝春秋などの論考やインタビューでは、目先の政局にとらわれがちな世論に対し、常に数十年単位の俯瞰した視座を提供し続けています。
【有識者会議での足跡】皇位継承問題や震災復興で見せた国家の舵取りへの関与
御厨貴氏が日本政治に残した足跡のなかで、最も重い意味を持つのが政府の有識者会議における牽引役としての実績です。
象徴的なのが、2016年に設置された「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」での座長代理としての役割です。前例のない上皇さま(当時の天皇陛下)の退位と令和への改元という歴史的転換期において、保守派からリベラル派まで多様な意見が対立するなか、御厨氏は極めて沈着冷静に議論を取りまとめました。憲法と皇室の伝統、そして国民感情を両立させる一代限りの特例法制定への道筋をつけた手腕は、各方面から称賛されました。
さらに遡れば、2011年の東日本大震災直後に設置された「東日本大震災復興構想会議」でも検討部会長・議長代理を務め、未曾有の国難における復興方針の骨格作りに深く携わりました。学問の府にとどまることなく、国家の重要局面において実務的な知恵を授ける「知の参謀」としての存在感は突出しています。
【発言まとめとネットの評判】なぜ御厨貴の直言はこれほど人々を惹きつけるのか
ネットニュースやSNS上で御厨氏の談話が取り上げられるたび、読者の間で大きな反響が巻き起こります。その背景には、どの政治勢力にも迎合しない「忖度なき直言」があります。
近年の政権運営に対しても、御厨氏は常に厳しい言葉を投げかけてきました。
【主な発言の論点・キーワード】
- 「政治の劣化と薄っぺらな言葉」:政治家が自らの言葉で理念を語らず、官僚のペーパーや短いキャッチフレーズに終始する姿勢を厳しく断じる。
- 「権力の集中とチェック機能の喪失」:官邸主導が行き過ぎた結果、官僚機構の自主性や党内議論の活力、公文書管理の誠実さが失われたと警鐘を鳴らす。
- 「歴史感覚の欠如」:目先の選挙や支持率だけを追い、50年後・100年後の国家像を描けない現代リーダーの視野の狭さを指摘する。
こうした歯切れの良い分析に対し、ネット上での御厨氏の評判は「政権批判も野党批判も筋が通っていて説得力がある」「歴史を知る人ならではの重みがある」と、高い信頼を獲得しています。感情論に流されがちな現代の言論空間において、冷静な羅針盤として機能していることが支持を集める本質です。
【2026年最新の現在】知の巨人は今どこを見据えているのか?後進育成と執筆活動
2026年現在、御厨貴氏は大学の専任職からは退いているものの、その知的探求心と情報発信力は衰えを見せません。
近年は、自身が集積してきた膨大なオーラルヒストリー資料や公文書の適切なアーカイブ化、公文書管理制度のさらなる改善に向けた提言を継続しています。また、次世代を担う若手研究者たちによる現代政治史研究の監修やシンポジウムへの登壇、総合誌での連載執筆など、多忙な日々を送っています。
2020年代後半の混迷する国際情勢と日本国内の統治構造のゆらぎに対し、過去の政治的危機を日本がどう乗り越えてきたのかを提示する同氏の知見は、今まさに再評価の波を迎えています。
【御厨 貴】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:御厨貴氏の現在の肩書や主な活動拠点はどこですか?
A1:現在は東京大学名誉教授として学術的な監修や執筆活動を行うほか、各メディアでの政治解説、政策提言フォーラムやシンポジウムでの発言を精力的に続けています。
Q2:なぜ御厨貴氏の「オーラルヒストリー」はこれほど高く評価されているのですか?
A2:公式文書には残らない政治家や高級官僚の「真の決断動機」や「舞台裏の葛藤」を、中立かつ精緻なインタビュー手法で体系的に記録した日本初の試みだからです。歴史の空白を埋める貴重な一次資料として学術的に極めて高い価値を持っています。
Q3:皇位継承や天皇退位の有識者会議でどのような役割を果たしたのですか?
A3:2016年の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」において座長代理を務めました。多角的な視点からヒアリングを行い、対立する論点を整理して「特例法による退位」への着地点を取りまとめる中心人物として貢献しました。
まとめ:激動の時代にこそ求められる「歴史の複眼」と政治への眼力
政治学者・御厨貴氏の歩みを振り返ると、一貫しているのは「生身の人間が動かす政治のリアリズム」を徹底して見つめ抜く姿勢です。
記録されなければ消え去ってしまう権力者たちの肉声を記録し、国家の制度設計に携わりながら、メディアを通じて市民に政治の本質を伝え続けてきました。政治不信や分断が叫ばれるいま、歴史という複眼的なレンズを通して現状を冷徹に見通す御厨氏の言葉は、私たちが未来の針路を見誤らないための貴重な道標となっています。 (出典: 御厨 貴(Yahoo!ニュース))