高校の体力テスト平均点と判定基準!内申点や推薦への影響&コツ解説
毎年春から初夏にかけて全国の高校で実施される「新体力テスト(スポーツテスト)」。高校生にとって自分の運動能力を測る一大イベントですが、「自分の記録は平均より上なのか」「総合評価が低いと大学推薦や内申点に悪影響が出るのではないか」と不安を抱える生徒や保護者は少なくありません。
文部科学省の基準をもとに、男女別の平均値や総合評価の判定基準、さらには成績・推薦入試へのリアルな影響力までを徹底取材しました。各種目で1点でも多く稼ぐための実践的な攻略法や、体調不良で休んだ場合の追試対応まで、知っておくべきポイントを余すところなく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:高校の体力テストは全8種目・各10点の80点満点で採点され、男女・年齢別の合計点によってA〜Eの5段階で総合評価が決まる。
- 要点2:テスト結果は体育の平常点・内申点に一定程度反映されるが、一般選抜には無関係であり、推薦入試でも体育系・教育系学部を除けば極端な減点要素にはならない。
- 要点3:シャトルランやハンドボール投げ、立ち幅跳びなどは「体の使い方とペース配分」を掴むだけで短期間でも大幅なスコアアップが可能である。
【全8種目一覧】文部科学省が定める新体力テストの測定内容と配点ルール

高校で実施される新体力テストは、文部科学省が定めた実施要項に基づいて全国一律の基準で測定されます。測定項目は筋力、持久力、敏捷性、柔軟性など基礎的な運動能力を網羅した全8種目です。
実施される体力テストの種目一覧(高校)は以下の通りです。
・握力(筋力):左右交互に2回ずつ測定し、それぞれの最大値の平均を採用
・上体起こし(筋持久力):30秒間で両肘と両太ももが接触した回数をカウント
・長座体前屈(柔軟性):測定器を押し出し、静止した位置の距離を測定(2回実施し良い方を記録)
・反復横とび(敏捷性):中央のラインから左右のラインを20秒間で跨いだり踏んだりした回数(2回実施し良い方を記録)
・20mシャトルラン(全身持久力):電子音に合わせて20mの距離を往復し、音が鳴り終わるまでにラインへ到達できた総回数(※持久走1500m/1000mを選択する学校もあり)
・50m走(スピード):クラウチングまたはスタンディングスタートで50mを駆け抜けたタイム(1/10秒単位)
・立ち幅跳び(跳躍力・瞬発力):両足を揃えて踏み切り、着地した最も後方の位置を測定(2回実施し良い方を記録)
・ハンドボール投げ(投力):直径2mの円内から助走をつけて前方へ投擲した距離(2回実施し良い方を記録)
各測定値は文部科学省の得点表に従って1点から10点までの10段階に換算されます。8種目すべての合計得点(80点満点)をもとに、最終的な総合評価(A〜E判定)が算出される仕組みです。
【男女別・学年別】高校生の平均点・平均値と総合評価の判定基準表

自分の実力を把握する上で欠かせないのが、文部科学省が公表している「体力・運動能力調査」の全国データです。高校生の総合得点における全国平均は、男子がおよそ49点〜52点前後、女子がおよそ48点〜51点前後で推移しています。
以下は、高校生の標準的な各種目における平均値の目安です。
【高校生男子の主な種目別平均値(目安)】
・握力:36.5kg〜41.5kg
・上体起こし:27回〜29回
・長座体前屈:47cm〜51cm
・反復横とび:52点〜55回
・20mシャトルラン:80回〜90回
・50m走:7.3秒〜7.5秒
・立ち幅跳び:220cm〜230cm
・ハンドボール投げ:24m〜26m
【高校生女子の主な種目別平均値(目安)】
・握力:23.5kg〜26.0kg
・上体起こし:21回〜23回
・長座体前屈:47cm〜50cm
・反復横とび:45回〜48回
・20mシャトルラン:48回〜55回
・50m走:8.7秒〜8.9秒
・立ち幅跳び:165cm〜175cm
・ハンドボール投げ:13m〜14m
続いて、文部科学省の判定基準表における総合評価(A〜E判定)のボーダーラインを確認しておきましょう。学年によってわずかな変動はあるものの、高校生年代(15歳〜17歳)の基準はおおむね以下の得点配分に設定されています。
【男子の総合判定基準(80点満点中)】
・A判定:65点以上(上位約10%前後のハイレベル)
・B判定:57点〜64点
・C判定:48点〜56点(平均ボリュームゾーン)
・D判定:39点〜47点
・E判定:38点以下
【女子の総合判定基準(80点満点中)】
・A判定:63点以上(上位約10%前後のハイレベル)
・B判定:55点〜62点
・C判定:46点〜54点(平均ボリュームゾーン)
・D判定:37点〜45点
・E判定:36点以下
A判定を獲得した生徒には、各都道府県の教育委員会や体育連盟から「体力証」や「優秀賞」の賞状が授与されるケースが多く、生徒にとって大きな達成感につながっています。
内申点や大学推薦に響く?体力テストの結果が成績に与える本当の影響

高校生や保護者から最も多く寄せられる疑問が、「体力テストの結果が悪いと内申点(評定)が下がり、大学の指定校推薦や総合型選抜で不利になるのか?」という点です。
結論から言うと、一般入試や一般的な学部の推薦入試において、体力テストの点数単体が直接の合否判定に使われることは原則としてありません。しかし、間接的な影響ルートが2点存在します。
第1に、保健体育の通知表評定への影響です。高校の体育の成績は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で評価されます。体力テストの記録は「技能」項目の評価材料の一部として組み込まれる学校が多く、極端に低い点数を取ると体育の評定が「4」や「5」から「3」へ下がる要因になり得ます。全教科の平均評定(全体の学習成績の状況)が推薦基準のボーダーライン上にある生徒にとっては、体育の1ポイントの差が指定校推薦枠の選考に響くケースがあるため軽視はできません。
第2に、体育学部・スポーツ科学部・教育学部体育専攻・警察官や消防官などの採用試験を目指す場合です。これらの分野では、調査書に記載される運動能力や体力テストの総合判定(A判定の有無など)が評価対象となったり、出願書類の自己PRや面接で言及が求められたりします。志望分野に応じて、求められる記録の重要度は大きく異なると捉えておくのが正確です。
1点でも多く稼ぐ!シャトルラン・ハンドボール投げ・立ち幅跳びの攻略テクニック
新体力テストは、単なる筋力勝負ではなく「体の使い方」「リズム」「力学的な効率」を知っているかどうかで記録が1〜2ランク跳ね上がります。特に配点差がつきやすい主要種目の実践テクニックを紹介します。
① 20mシャトルラン:省エネターンと脱力呼吸
シャトルランで早々に脱落する最大の原因は、ターンのたびに急ブレーキを踏んで再加速することによるエネルギーロスです。ラインの手前で減速せず、体を斜めに滑り込ませるように足先でラインをタッチし、反動を使って向きを変える「反転技術」を意識してください。また、前半のペースが遅い時間帯は鼻呼吸で深く息を吸い、肩の力を抜いてジョギング感覚で走ることで、後半のスタミナ切れを大幅に遅らせることができます。
② ハンドボール投げ:投射角度45度としなやかな体重移動
高校生の平均距離(男子25m前後、女子13m前後)を超えられない生徒の多くは、ボールを前に叩きつけるように投げてしまっています。投擲種目で最も飛距離が出る角度は斜め40〜45度です。助走をつけたら踏み込み足をしっかりと地面に突き刺し、下半身のパワーを腰の回転、胸の開き、腕のしなりへと連動させて高い弾道で放つのがコツです。手首のスナップを効かせ、指先でボールにバックスピンをかけると空気抵抗が減り、滞空時間が伸びます。
③ 立ち幅跳び:腕の振り下ろしと空中での抱え込み
立ち幅跳びの記録を伸ばす鍵は、踏み切り直前の腕の予備動作です。膝を曲げながら両腕を後ろへ大きく引き、ジャンプと同時に腕を前上方へ力強く振り上げます。踏み切り角度は斜め35〜40度をイメージしましょう。さらに重要なのが着地動作です。空中で上半身を前に倒し、膝を胸に引きつけるようにして足を前方へ突き出すことで、着地点が20cm〜30cm遠くなります。
当日に体調不良や怪我で休んだ場合はどうなる?追試・見学のリアルな実態
テスト当日に発熱や生理痛、部活動での怪我などが重なった場合、どう対応すべきでしょうか。「欠席すると0点扱いになり、成績に大きなペナルティがつくのでは」と無理をして登校しようとする生徒も見られます。
実際の高校現場では、予備日(追試日)が必ず設定されているか、後日の体育の授業内で未測定種目を個別に計測する措置が取られます。体調不良のまま無理に出場して低い記録を残してしまうよりも、学校に連絡を入れて体調を整え、後日の追試で本来の力を発揮する方が得策です。
骨折や捻挫など全治数週間の怪我で測定期間内に復帰できない場合は、医師の診断書や見学届を提出することで、以下のような代替評価が行われるのが一般的です。
・前年度(中学3年時や高校前年)の記録を参考値としてスライド適用
・怪我をしていない部位の種目のみ測定し、残りは測定不能として平均値扱い
・体力テストに関するレポート課題の提出による平常点代替
無断欠席さえしなければ、怪我や病気による見学・欠席が原因で理不尽に最低評価をつけられる心配はありません。不安な場合は、事前に体育科の担当教員へ相談しておきましょう。
【体力テスト(高校)】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:高校の体力テストでA判定を取ると大学受験で有利になりますか?
A1:一般的な文系・理系学部では合否に直接影響しませんが、総合型選抜や学校推薦型選抜の調査書・自己推薦書において「文武両道」「継続的な基礎体力」をアピールする強力な客観的証拠になります。また、体育・スポーツ系学部や警察・消防・自衛官採用試験では明確な加点要素や推薦条件となる場合があります。
Q2:雨天の場合はどうなりますか?
A2:グラウンドで実施する50m走やハンドボール投げは後日の授業や予備日に延期され、体育館で測定できるシャトルラン、反復横とび、上体起こし、長座体前屈、握力などの屋内種目のみを先行して実施する学校が大半です。
Q3:極端に運動が苦手でE判定だった場合、高校を留年することはありますか?
A3:体力テストの判定がEだったことだけを理由に留年(原級留置)することは絶対にありません。高校の体育の単位取得には、授業への出席日数や平常の受講態度、レポート提出などの総合的な評価が重視されるため、授業に真面目に参加していれば心配は無用です。
まとめ:正しい知識と事前対策で体力テストをスマートに乗り切ろう
高校の新体力テストは、単に自分の体力を数値化するだけでなく、健康管理や運動習慣を見直す貴重な機会です。測定のルールと各種目のコツを事前に把握し、効率的な身体の使い方を実践するだけで、記録や総合得点は見違えるほど向上します。
大学進学の内申点を意識する生徒にとっても、基礎体力を維持することは長時間の受験勉強を支える最大の資本となります。過度なプレッシャーを感じる必要はありませんが、正しいフォームとペース配分を意識して、本番で自己ベスト更新を目指しましょう。 (出典: 体力 テスト 高校(Yahoo!ニュース))