二つに割れるアイスの名前は?名作の販売終了理由と2026年の現在地
幼い頃、真夏の駄菓子屋や近所のスーパーで買い、友だちや兄弟と「半分こ」にした思い出のアイス。真ん中に切れ目が入っていてパキッと2本に割れるソーダバーや、中央を折って分け合うチューブ型アイスの名前がふと思い出せず、懐かしさに駆られる人は少なくありません。
しかし、アイス売り場を見渡しても、かつて親しんだ名作の多くが姿を消していることに気付きます。「あのソーダ味のアイスはなぜ売っていないのか」「元祖チューペットはどうなったのか」。昭和・平成を彩った歴代の「二つに割れるアイス」の正確な名前や販売終了の舞台裏、そして2026年現在の流通事情までを徹底追跡しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2本棒の代表格「森永ダブルソーダ」は2017年に販売終了、元祖「チューペット」も2009年に製造を終えている。
- 要点2:消えた背景には製造設備の老朽化や少子化による個食化、濃厚系アイスへの消費トレンド変化がある。
- 要点3:2026年現在も「パピコ」は進化を続けてトップを走り、ポッキンアイス系は他社PB等で広く購入可能。
【昭和・平成の名作】「二つに割れるアイス」の名前と歴代ラインナップ
「真ん中から2つに割って食べるアイス」と一口に言っても、形状や容器によっていくつかの代表的な商品に分かれます。記憶の引き出しを開けるために、まずは歴代の代表的な商品名と特徴を整理します。
最も多くの人が思い浮かべる「2本の木の棒が刺さったソーダ味のアイス」の正式名称は、森永乳業が製造していた森永ダブルソーダです。横幅の広い氷菓の中央にくびれがあり、両手で力を込めて左右に引っ張ると、見事に2本のスティックアイスに分かれる設計でした。
一方で、真ん中をねじってパキッと折るポリ容器入りのシャーベット飲料といえば、前川乳業が開発したチューペットです。一般名称としては「ポッキンアイス」「棒ジュース」「チューチューバー」など地域や世代ごとに多彩な呼び名で親しまれています。
さらに、フタバ食品が展開していた2色の味が1本で楽しめるツインポップや、1974年に登場して以来独自の進化を遂げた江崎グリコのパピコなど、昭和から平成にかけて「2つに分けるアイス」は駄菓子・アイス市場で確固たる一大ジャンルを築いていました。
森永「ダブルソーダ」が販売終了した決定的な理由と売ってない真相

爽快な青色の見た目とシャリシャリした氷粒の食感で、1983年の登場から長年愛されてきた森永ダブルソーダ。1本買えば2人で分けられる抜群のコストパフォーマンスを誇った同商品ですが、2017年3月末をもって販売終了となっています。
なぜ森永乳業は看板商品の一つだったダブルソーダの生産を終了したのか。メーカーへの取材や当時の公表データから、以下の3つの構造的な要因が浮かび上がります。
第一の理由は、アイス市場全体の需要シフトと売上の長期低迷です。アイスの消費傾向は、さっぱりした安価な氷菓キャンディから、濃厚なクリーム系やスイーツ感の高いプレミアムアイスへと大きく変化しました。1990年代をピークにダブルソーダの販売本数は右肩下がりが続いていた事実があります。
第二に、「ダブルスティックアイス」特有の製造ラインコストが挙げられます。1つのアイスに2本のスティックを均等に挿入し、中央に均一な割れ目を入れる特殊な金型・冷却設備は、汎用ラインに比べてメンテナンスや更新に莫大なコストがかかります。採算性の低下がラインの維持を困難にしました。
ファンの間では「森永ダブルソーダの復刻」を望む声がSNSを中心に絶えません。しかし、製造ラインの再構築にかかる設備投資のハードルは高く、2026年時点においてもメーカー公式による常設の全国復刻販売は実現していません。
元祖「チューペット」の販売終了と2026年現在のポッキンアイス事情
夏の家庭で凍らせて食べるおやつの代名詞だった「チューペット」。中央のくびれを膝やテーブルの角に押し当てて「パキッ」と2つに折る動作は、子どもの夏の通過儀礼ともいえる光景でした。
このジャンルのパイオニアであった前川乳業のチューペットは、2009年夏に生産終了・販売終了を迎えました。当時、一部製品で生産工程上の不具合が発生し自主回収を実施。再発防止に向けた抜本的な設備改修を検討したものの、設備の老朽化と少子化に伴う市場縮小を踏まえた結果、莫大な投資の回収が困難と判断され、34年の歴史に幕を下ろす苦渋の決断が下されました。
ただし、消えたのはあくまで前川乳業の登録商標である「チューペット」という商品です。現在のアイス売り場では、他メーカーや大手流通グループが製造するポッキンアイス(ポリ容器フローズン)が豊富に並んでいます。
イオンのトップバリュや生協(コープ)、無印良品、さらにはチルド飲料メーカー各社から、果汁100%タイプや乳酸菌入り、無着色タイプなど現代の健康志向に合わせた後継商品が多数流通しており、2026年の今も手軽に入手できます。
発売50年超の王者「パピコ」の歴史と今なお愛され続ける進化の秘密
2つに分けるアイスの多くが姿を消す中、唯一無二の存在として市場に君臨し続けているのが、江崎グリコのパピコです。
1974年に誕生したパピコは、2本のチューブ型ポリ容器をリング状のフタで繋いだ斬新なパッケージで登場しました。当初は「チョココーヒー味」一本でスタートし、フローズンスムージーのような滑らかな食感と、手を汚さずに片手で食べられる利便性で爆発的なヒットを記録します。
パピコが半世紀を超えて愛され続ける最大の理由は、驚異的な技術革新とターゲット層の拡大にあります。微細な氷を均一に混ぜ合わせる「マイクロアイス製造技術」を年々進化させ、氷菓特有のジャリジャリ感を消して驚くほど滑らかな口溶けを実現しました。
さらに「大人の濃いパピコ」シリーズや厳選果汁を使った期間限定フレーバーを展開することで、子どものおやつから「大人のリフレッシュスイーツ」へとポジショニングを再定義。分ける楽しさを残しながら、1人で2本とも贅沢に味わうニーズにも応える戦略が、圧倒的なロングセラーを支えています。
なぜ消えた?二つに折る「ダブルスティックアイス」激減の時代背景
ダブルソーダをはじめとする「2つに割るアイス」が昭和・平成初期に全盛期を誇り、令和の時代に激減した背景には、日本のライフスタイルの劇的な変化が存在します。
最大の要因は「個食化」の進行と少子化です。かつては近所の子ども同士が集まり、1本のアイスを分け合って食べるコミュニケーションが日常でした。しかし、兄弟数の減少や放課後の過ごし方の変化に伴い、「最初から1人で1個を完食する」食べ方が標準化しました。
さらに、衛生観念の変化も見逃せません。素手でアイス本体を掴んでパキッと割り、そのまま相手に手渡すという行為に対し、近年の消費者は心理的な抵抗を抱きやすくなりました。個包装で完結するカップアイスや、個別に棒が刺さったマルチパックアイスへと需要が移行したのは必然の流れでした。
低価格帯を支えていた駄菓子屋の減少とコンビニエンスストア主導の棚割り競争も影響しています。限られた冷凍スペースの中で、利益率が高く年間を通じて安定して売れるパーソナルアイスが優先された結果、ダブルスティックアイスは静かにその役目を終えていきました。
【二つに割れるアイス】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:森永ダブルソーダの類似品やジェネリック商品は現在買えますか?
A1:大手メーカーによる「2本棒のソーダアイス」の全国レギュラー販売は確認されていません。ただし、地域限定の氷菓メーカーやスーパーの季節限定企画、あるいは2色に分かれる「ツインアイス」タイプが稀にスポット製造される事例はあります。
Q2:チューペットとポッキンアイスはどう違うのですか?
A2:チューペットは前川乳業が持っていた固有の登録商標・製品名です。ポッキンアイスは中央を折って食べるポリ容器詰め氷菓全般を指す通称(一般名称)であり、現在店頭に並んでいるのは他社が製造するポッキンアイスです。
Q3:昔のダブルソーダを綺麗に真ん中で割るコツは何でしたか?
A3:冷凍庫から出した直後のカチカチの状態ではなく、数十秒だけ室温に置いて表面の霜が取れたタイミングで、両方の棒の根元をしっかり持ち、外側へ素早く均等に開くのが失敗しないコツでした。焦って割ると片方だけ棒が抜けるハプニングも当時の懐かしい風物詩です。
まとめ:形を変えて受け継がれるシェアアイスの記憶
2つに割れるアイスは、単なる冷たいお菓子にとどまらず、誰かと分け合う喜びや幼少期の友情をつなぐ特別なコミュニケーションツールでした。
時代の変化とともに森永ダブルソーダや元祖チューペットといった歴史的名作は店頭から姿を消しましたが、その遺伝子は「パピコ」の洗練されたおいしさや、現代のライフスタイルに合わせた各種ポッキンアイスの中に脈々と息づいています。
アイスの歴史を振り返ることは、私たちが過ごしたあの頃の夏の風景を思い出すこと。冷凍庫を開けたとき、かつて半分こにした誰かの笑顔を思い出してみてはいかがでしょうか。 (出典: 二 つ に 割れる アイス(Yahoo!ニュース))