赤羽の昼飲み激戦区を歩く!本当に満足できる名店と穴場ルート
赤羽 昼 飲みの熱気は、午前10時の鐘が鳴る前から路地に満ちている。まだ太陽が高い位置にある時間帯、駅前のアーケードにはグラスとジョッキがぶつかり合う乾杯の音が小気味よく反響する。かつて夜勤明けの工場労働者が一日の労をねぎらうために始まったこの街の朝酒・昼酒文化は、いまや東京を代表する独自のカルチャーとして定着した。暖簾の隙間から漂う煮込みの湯気と炭火の煙が、通り抜ける人々を無条件に誘い込む。
JR赤羽駅の東口を出て数歩進むだけで、日常の喧騒から隔絶された呑兵衛のワンダーランドが広がる。週末はもちろん、平日であっても赤羽 昼 飲みを目当てに訪れる人々の足取りは驚くほど軽い。千円札数枚を握りしめて暖簾をくぐれば、肩書きも年齢も関係のない、剥き出しの人間交差点がそこにある。
せんべろ聖地の源流:赤羽一番街商店街と朝酒文化のリアル

東京都北区の交通の要衝として栄えてきた赤羽。その心臓部ともいえるのが「赤羽一番街商店街」だ。赤提灯が昼夜を問わず灯るこのストリートは、安く早く酔える「せんべろ」の発祥地の一つとして全国にその名を轟かせている。
戦後の復興期、周辺の工業地帯で夜通し働いた労働者たちが朝方に帰路につく際、温かい食事と一杯の酒を提供したのがすべての始まりだった。時計の針が午前を指す頃には、すでにカウンターが満席になる光景は、この街では半世紀以上前から続く日常にすぎない。ただ安さを売りにするチェーン店とは一線を画す、土地に根ざした情緒がここにはある。
伝説の暖簾をくぐる:まるます家と立ち飲みいこいが放つ圧倒的存在感

赤羽の昼酒を語る上で、避けて通れない金字塔が2軒存在する。その筆頭が、朝9時から暖簾を掲げる「まるます家」だ。名物のうなぎ蒲焼や鯉のあらいをつまみに、ジャンボ酎ハイ(通称ジャン酎)にライムとミントを沈めて呷る。一人3杯までの厳格なルールが敷かれているからこそ、店内には心地よい緊張感と節度ある賑わいが保たれている。
もう一つの聖地が「立ち飲みいこい」である。カウンターの小皿に小銭をあらかじめ積んでおく完全キャッシュオンデリバリー方式は、この店が生んだ名物システムだ。100円台から揃う手作りのアテ、注文から数秒で供される煮込み。無駄を極限まで削ぎ落とした職人的なスピード感と、厨房から飛ぶ威勢の良い掛け声が、訪れる者の喉を鳴らす。
サブカルチャーが火をつけた街:清野とおる作品から映像化の軌跡

かつては知る人ぞ知る下町の酒場街だった赤羽を、一躍全国区のポップアイコンへと押し上げた立役者が漫画家の清野とおるだ。彼が描いた怪作エッセイコミックは、街の奇妙で愛すべき住人たちやディープな酒場を赤裸々に活写し、サブカルチャー層を熱狂させた。
その熱狂はテレビ東京によるドラマ化、そして俳優の山田孝之が本人役として出演した異色作『山田孝之の東京都北区赤羽』によって決定的なものとなる。現在ではNetflixなどのストリーミング配信を通じて世界中へ発信され、かつての労働者の街は、国内外から巡礼者が押し寄せるエンターテインメント空間へと進化した。
激戦区で本当に満足できる名店と知る人ぞ知る穴場の徹底解剖
スマートフォンのグルメアプリや食べログの星の数だけを頼りに歩くと、長蛇の列に巻き込まれ、赤羽本来の醍醐味を見失うことがある。現在この激戦区で本当に舌の肥えた呑兵衛たちが目指すのは、メインストリートから一本外れた路地裏に佇む隠れた居酒屋だ。
一番街の喧騒を抜け、細い路地が入り組む「OK横丁」や昭和レトロな風情を残す「シルクロード」に足を踏み入れると、観光地化とは無縁の静かな熱気に出会える。昼から炭火でじっくり焼き上げるもつ焼きの名店や、出汁の染みたおでんを地酒の出汁割りで流し込ませる老舗立ち寄り処、さらには昼間から本格的な中華小皿と強炭酸ハイボールを低価格で供する町中華まで、選択肢は無限だ。看板の派手さに惑わされず、地元客の自転車が店前に無造作に並んでいる店を選ぶことこそ、赤羽で絶対に外さない秘訣である。
昼酒を極める呑兵衛へ贈る混雑回避ルートと粋な酒場マナー
休日の正午を過ぎると、人気店の前には長蛇の列ができる。赤羽の昼酒をストレスなく極めるための黄金ルートは、午前10時30分の「いこい」または「まるます家」への一巡目入店から始まる。まずは名物店で喉を潤し、店が混み始める11時半にはサッと席を立つのが粋な流儀だ。
2軒目には正午オープンの中堅居酒屋やOK横丁の串焼き屋へスライドし、ピークタイムとなる13時から14時は、あえて席数の多い大衆酒場や裏通りの穴場へ逃げる。長居は無用、1軒あたり滞在45分、2杯と2品で次へ繋ぐのが、混雑を華麗にいなしながら街全体を味わい尽くすプロの立ち回りだ。千円札と小銭をポケットに忍ばせ、スマートに会計を済ませる姿勢が、店と客の阿吽の呼吸を生む。
変貌を遂げる赤羽の飲食業:昭和の熱気と新世代クラフトの共存
駅前の再開発や世代交代の波を受けながらも、赤羽の飲食業は強烈な生命力で進化を続けている。昔ながらの赤提灯が醸し出す哀愁と人情味を守りつつ、近年ではクラフトビールを昼から気軽に立ち飲みできる新世代ブルワリーバーや、ナチュラルワインと創作串を揃えたネオ大衆酒場も台頭してきた。
新旧のカルチャーが反発することなく、同じ商店街の中でグラデーションのように溶け合っている。どんな背景を持つ人間であっても、暖簾をくぐれば一杯の酒の前で平等になれる。その懐の深さこそが、時代が移り変わろうとも呑兵衛たちを赤羽へと引き寄せてやまない最大の理由なのだ。 (出典: 赤羽 昼 飲み(Yahoo!ニュース))