「この木なんの木」の正体とは?ハワイの現在と名曲誕生秘話を徹底解剖
心地よいメロディとともにテレビ画面いっぱいに広がる、雄大で美しい一本の大樹。「この木なんの木 気になる木」というフレーズを聞けば、誰もが日立グループのCMソングとあの青空に映える巨大な樹木を思い浮かべるはずです。「名前も知らない木ですから」と歌われていますが、実はあの木には明確な植物種としての正体があり、今もハワイの地で雄大な姿を保ち続けています。
長年愛され続けるあの樹木はどこにあり、どのような植物なのでしょうか。現地オアフ島にある公園の様子や入場料事情、そして昭和から受け継がれる名曲誕生の舞台裏まで、知られざる真相を紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「この木なんの木」の正体は、マメ科の常緑高木であるモンキーポッド(和名:アメリカネムノキ)。
- 要点2:実在する場所はハワイ・オアフ島のモアナルア・ガーデンであり、現在も観光スポットとして親しまれている。
- 要点3:作詞家・伊藤アキラと作曲家・小林亜星が手がけたCMソングには、巨大企業グループの理念と温かいメッセージが込められている。
【正体と種類】「この木なんの木」の品種はアメリカネムノキ(モンキーポッド)

画面狭しと枝葉を大きく広げるあの樹木の正体は、熱帯アメリカ原産のマメ科に属するモンキーポッド(Monkeypod)です。植物学上の和名ではアメリカネムノキと呼ばれ、学名をSamanea samanといいます。
モンキーポッドは横に大きく傘を開いたような樹形が最大の特徴です。日差しが強い熱帯地域において心地よい木陰を作ることから「レインツリー」とも呼ばれています。日の出とともに葉を開き、夕暮れ時や雨が降りそうになると葉を閉じるネムノキ特有の性質を持っており、年に2回、白とピンクのグラデーションが可憐な刷毛状の花を咲かせます。
日立のシンボルとして選ばれた木は、樹齢約130年を誇る堂々たる巨木。高さ約25メートル、枝の広がりは約40メートル、幹の周囲は7メートル超にも達し、まさに一本の木そのものがひとつの森であるかのような圧倒的なスケールを誇ります。
【場所とアクセス】オアフ島「モアナルア・ガーデン」の聖地巡礼と入場料情報

「この木なんの木」が根を下ろしている場所は、アメリカ・ハワイ州オアフ島のホノルル市街から車で15分ほどの場所にあるモアナルア・ガーデン(Moanalua Gardens)です。かつてハワイ王国を統治したカメハメハ王家の私有地だった歴史ある公園で、約24エーカー(約9万7000平方メートル)もの広大な敷地には緑豊かな芝生と複数の巨木が点在しています。
かつては無料で一般開放されていたモアナルア・ガーデンですが、敷地の保全や環境維持を目的として現在は有料化されています。訪問時に知っておくべき基本情報は以下の通りです。
ワイキキ中心部からはレンタカーやタクシー、配車アプリ(Uber/Lyft)を利用して約20〜30分でアクセス可能です。ハワイ観光の定番コースとして、青空の下で記念撮影を楽しむ日本人観光客の姿が絶えません。
【名曲誕生の裏側】作詞・伊藤アキラ×作曲・小林亜星が手掛けたCMソングの意図

親しみやすいフレーズで日本人の心に刻まれた日立CMソング「日立の樹(この木なんの木)」が誕生したのは1973年(昭和48年)のことでした。作詞を担当したのは数々の名CMを手がけた伊藤アキラ氏、作曲は昭和歌謡界の巨匠・小林亜星氏という黄金タッグです。
「名前も知らない木ですから 名前も知らない花が咲くでしょう」という歌詞には、一見すると親しみやすいキャッチコピー以上の深い企図が隠されています。当時、日立グループは家電製品だけでなく、重電、通信、インフラ、半導体など多岐にわたる事業を展開する総合電機メーカーへと急成長を遂げていました。
「グループ内の無数の技術や個々の事業(=枝葉や花)が集まり、社会を支える一本の頼もしい大樹になる」という企業姿勢を、あえて難解な専門用語を使わず、童謡のように誰でも口ずさめる優しい言葉へと昇華させたのがこの楽曲です。小林亜星氏による温かく力強い旋律も相まって、半世紀以上にわたり色褪せない名曲となりました。
【歴代CMの歴史】実はハワイだけじゃない?世界中を巡った「日立の樹」の変遷
実は、現在放映されているモアナルア・ガーデンのモンキーポッドがずっと使われ続けてきたわけではありません。時代とともに「日立の樹」は世界各地の巨木を巡る旅をしてきました。
初代CM(1973年〜)は実写ではなくイラストのアニメーションでした。その後、1975年の第2代CMで初めてハワイ・オアフ島のモンキーポッドが実写として採用されます。第3代(1979年〜)ではシンガポールの公園にある大樹、第6代(1984年〜)では米ロサンゼルスのマンモスツリーなど、様々な国のシンボルツリーが歴代の主役を務めました。
しかし、「やはりあのハワイの優しい傘のような樹形が最も日立のイメージにふさわしい」という多くの声を受け、1989年(第9代)以降は再びモアナルア・ガーデンのモンキーポッドが起用され、現在のスタイルへと定着しました。企業の顔としてひとつの樹木がこれほど長く愛され続ける例は、世界の広告史を見渡しても極めて稀です。
【現在の様子】パワースポットとして愛される今と訪問時のポイント
かつてカメハメハ5世の別荘が置かれていたモアナルア・ガーデンは、現在では癒やしを求める旅行者にとっての強力なパワースポットとしても知られています。現地では「マナ(超自然的な力・聖なるエネルギー)」が宿る場所として大切に守られてきました。
木の下に入ると、強い日差しが遮られ、木漏れ日と心地よい貿易風が吹き抜けます。外側の壮大な見た目とは一変し、幹の内側から見上げる無数の枝ぶりは息をのむ美しさです。
現地を訪れる際は、芝生の保全エリアに立ち入らないことや、幹に傷をつけないといったマナーを守ることが求められます。美しい景観を未来に残すため、公園の維持管理ルールに従って静かに自然の力を体感するのがスマートな楽しみ方です。
【この木なんの木】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:モアナルア・ガーデンには「日立の樹」以外にも同じような木がありますか?
A1:はい、敷地内には複数のモンキーポッドが植えられています。その中で「日立の樹」として親しまれているのは、最も枝ぶりが美しく均整の取れた中央付近の巨木です。現地には日立の案内表示も設置されているため、すぐに見分けることができます。
Q2:日本国内でモンキーポッドを見ることはできますか?
A2:熱帯性の植物であるため本州の屋外では育ちにくいですが、各地の大規模な植物園の温室(咲くやこの花館や夢の島熱帯植物館など)や、沖縄・奄美などの温暖な亜熱帯地域で見ることができます。
Q3:個人ツアーやTheBus(路線バス)でも行けますか?
A3:路線バス(TheBus)の最寄り停留所からもアクセス可能ですが、治安面や利便性を考慮すると、タクシーや配車アプリ(Uber)、あるいはオアフ島周遊オプショナルツアーの利用が安心でおすすめです。
まとめ:世代を超えて愛される「日立の樹」の普遍的な魅力
テレビCMから流れる穏やかな歌声とともに親しまれてきた「この木なんの木」。その正体は、ハワイ・ホノルルの歴史ある大地に根を張る樹齢130年超のモンキーポッドでした。
単なる企業のプロモーションにとどまらず、人々に安らぎと自然への敬意を思い起こさせてくれる存在だからこそ、時代が移り変わってもその輝きを失いません。ハワイ・オアフ島を訪れる機会があれば、ぜひモアナルア・ガーデンに足を運び、あの歌の風景を全身で感じてみてください。 (出典: この 木 なん の 木(Yahoo!ニュース))